私が大切にしているこだわり
◆使うものすべてに、理由があります。
シャンプー、トリートメント、カラー剤、矯正剤、ホームケア…。
私が選ぶものにはすべて、目的と意味、そして責任があります。
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▷ シャンプー
サロンワークで最も使うシャンプーこそ、施術において重要な土台だと考えています。
髪や頭皮の状態、そして施術内容に合わせて、私は5種類のシャンプーを使い分けています。
• シリコンや被膜を除去するもの
• 熱ダメージで硬くなった髪をほぐすもの
• エイジング毛にしなやかなハリコシを与えるもの
• 薬剤浸透を高めるアルカリ寄りのもの
• カット前に使うベーシックな洗浄力のもの
その日の髪に何が必要かを見極めて、シャンプーひとつも目的を持って選びます。
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▷ トリートメント
私のトリートメントには「名前」がありません。
いわゆるシステムトリートメントのような、型にはまったメニューをあえて使っていないからです。
“◯ステップ”“高濃度◯◯”と謳われたトリートメントの多くは、広く浅く効かせるために設計されています。
でも、私が目指すのは**「一人ひとりに最適化された処方」**。
だから、処理剤はパズルのように組み合わせ、濃度・分子量・質感を自ら設計しています。
“濃い=良い”ではありません。
ほんの少しで引き締まる塩もあれば、たっぷり使って整える砂糖もある。
トリートメントも、それと同じです。
髪質やダメージに合わせて“効かせるための選び方”がある。
私はそのバランスを見極め、必要な分だけ、必要な理由をもって処方します。
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▷ カラー
ほとんどの美容室が1ブランドのカラー剤で揃える中、私は複数メーカーの得意な色味だけを厳選して使っています。
発色、ツヤ、ダメージコントロール、それぞれに強みがあります。
そのため、カラーチャートは用意していません。
チャートでは伝わらないニュアンスまで、対話と経験から導き出します。
「白髪染めだから+料金」
「有名ブランドだから+1,100円」
そんな価格設定もしません。
薬剤の“名前”ではなく、“必要性”で判断するのが私のスタンスです。
カラーには全てダメージ抑制剤と艶出しオイルを標準で添加し、必要があれば髪質改善処理もプラスします。
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▷ 縮毛矯正(艶感矯正)
私は2年前から「縮毛矯正」という言葉をやめました。
クセ毛=縮毛ではないからです。
クセ毛には、波状毛・捻転毛・連珠毛・縮毛・直毛という分類があり、
矯正とは「クセを真っ直ぐにする」技術ではなく、「髪の捻れや歪みを整える」技術だと考えています。
私の矯正の師匠が教えてくれた言葉があります。
「縮毛矯正は、捻れを取る技術や。アイロンは“ヘアスタイル”に合わせて入れるもんやで。」
この言葉の通り、私は矯正剤を“酸性かアルカリ性か”ではなく、髪に合わせて毎回調合しています。
トレンドや耳触りの良い言葉ではなく、髪の体力と仕上がりから逆算して、最適な薬剤と温度、アイロンワークを選び抜く。
だから“酸性ストレート”とも、“ダメージレス矯正”とも、あえて書きません。
技術は名前じゃない。
大切なのは、**「その人の髪に必要な選択ができるか」**だと私は思っています。
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▷ 店販商品
Lyrae、Ririmimi、YOTSUHA、ani、Lilyのホホバオイル…。
私が取り扱う製品は、どれも開発者の現場目線と本気のクオリティが宿るものばかりです。
「髪が変わるケア」をおうちでも続けてほしいから、品質・使いやすさ・再現性まで、自分の手で確かめたものしかおすすめしません。
トレンドじゃなく、“結果の出るプロダクト”だけを扱っています。
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▷ 価格への考え方
以前は「新規・再来」で価格を分けていましたが、今はその区別をなくしています。
最初は安くて、次回から高くなる――
そのギャップがあると「通いたいけど続けられない」と感じる方もいるからです。
髪を本当に綺麗にするためには、継続して通える安心感と、信頼できる料金設定が必要だと思っています。
こだわった薬剤を使えば当然コストはかかります。
でも、それを削ってしまっては「本当に髪を変える技術」にはなりません。
知識・経験・時間・技術、そして本当に意味のある処理剤を駆使して、“結果につながる価値”としての価格を提示しています。
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▷ 最後に
私は美容師として、その時だけ綺麗に見せることよりも、“ずっと扱いやすい髪”を育てていくことに価値を感じています。
そして、「嫌われるその瞬間まで責任を持つ」という気持ちで、
お客様の髪に、日々真剣に向き合っています。
流行やブランドに頼らない。
でも、妥協も一切しない。
これが、私の美容師としての在り方です。
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