髪の毛を大切にしたいだけなのに…

「髪を大切にしたい」だけなのに、少しモヤっとすることが多かった話。

美容師として働いてきた中で、本当にありがたいことに、たくさんのお客様や先輩方に恵まれてきました。

でも同時に、この業界にいるからこそ見えてしまう“ちょっとした違和感”を感じる場面もありました。

今日は少しだけ、そんな経験を通して感じたことを、やさしくお伝えできたらと思います。

もちろん、すべての美容室やスタッフがそうだというわけではありません。

あくまで「そういうこともあるんだな」と、参考程度に読んでいただけたら嬉しいです。


【エピソード①】ある日突然「髪質改善サロン」になっていた話


私がとあるサロンで働き始めた頃、最初に勤めたサロンはデザインカラー推しでした。

日々ブリーチやハイトーンカラーの写真がSNSで頻繁に投稿されていたのに、ある日出勤すると

なんと看板が「縮毛矯正専門・髪質改善サロン」に変わっていたんです。

もちろん、経営方針が変わるのはよくあること。

でも、スタッフも技術も内容も変わらず、ただ“名前”だけが変わってしまったことに

少しだけモヤっとしてしまいました。

専門性って、一朝一夕で得られるものではないはず。

それを軽く扱うような見せ方に、ちょっと違和感を覚えたのを今でも覚えています。


【エピソード②】一人で受けたセミナーなのに、全員が「学び済み」に?


ある技術を学ぶためのセミナーに参加させていただいたことがありました。

とても勉強になったし、今後に活かしたいなと思っていたのですが、

セミナー後にスタッフ同士で共有する機会も、実践する場もないまま時間が過ぎていきました。

ところが数日後には、「全スタッフがこの技術を習得済みです」とSNSで発信されていて…

「え? それって大丈夫かな…」と心の中で戸惑ったのを覚えています。

良かれと思って発信されていたのかもしれないし、悪意はなかったのかもしれません。

でも、受け取るお客様にとっては“信頼”に関わること。

だからこそ、誠実な伝え方ってすごく大事だなと感じました。


【エピソード③】「ケア重視」のはずが、薬剤の知識があやふやな現場。


あるとき、商材に関する知識や使い方についてあまり共有されていない現場に遭遇しました。

「ケアに力を入れている」とうたっているのに、薬剤を感覚で混ぜたり、順番を間違えたまま使ってしまうこともあって…。

もちろん、その場で気づけば伝えるし、誰だって最初は知らないことがあるもの。

でも、それを「知ろうとする姿勢」がないままだと、やっぱりお客様の髪にとってリスクになることもある。

ケアって、表面的な見た目だけでなく、“髪の内側まで守ること”だと思うんです。

だからこそ、しっかり知識を持って扱うことの大切さを痛感しました。


【エピソード④】ホットペッパーの言葉と、実際のギャップ。


これは、美容室選びをされるお客様にもぜひ知っておいてほしいなと思うこと。

ホットペッパーやSNSで見る情報って、正直とても魅力的に書かれています。

でもその内容と、実際の技術力や知識、経験値に差があることも少なくありません。

「髪質改善に特化」と書かれているけど、その薬剤を扱い始めてまだ数週間だったり、

「ベテランスタイリスト在籍」とあっても、その人が毎日施術してくれるとは限らなかったり。

だからこそ、「書かれていること=すべて真実」だとは思いすぎないでほしいんです。

本当に大切にしたいのは、目の前の“髪”。

私が今、美容師として一番大切にしているのは、

どんな言葉を使うかよりも、目の前の髪にちゃんと向き合えているかどうか。

お客様一人ひとりの髪の状態に合わせて、必要なことを丁寧に。

そして、変化を一緒に喜べるような関係を、少しずつでも築いていけたら嬉しいなと思っています。

最後に。

美容業界には、素晴らしい技術と想いを持った美容師さんがたくさんいます。

でも一方で、ちょっとした“見せ方のズレ”や、“名前だけの肩書き”が存在するのも事実です。

このブログが、「サロン選び」のひとつの参考になったら嬉しいですし、

「ちゃんと向き合ってくれる美容師さんを選びたい」と思っている方の背中を

そっと押せるような存在になれたらいいなと思います。

HAIR CODE

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