人気トリートメント(髪質改善)の落とし穴
【そのトリートメント、本当に髪のため?】
繰り返しても扱いやすくならない理由を、美容師が本音で語ります
⸻
「毎月トリートメントしてるのに、髪が良くならない」
「最初はツヤツヤだったのに、1〜2ヶ月後にはまた広がってる」
「結局またトリートメントしないとダメ…の繰り返し」
そんな風に感じている方、多いんじゃないでしょうか?
これは、あなたの髪のせいじゃありません。
むしろ、“今のトリートメントのやり方”や“考え方”にこそ、大きな落とし穴があるんです。
今回は、よく耳にする酸熱トリートメント・ケラチントリートメント・メテオ・ハリウッド系を例に、 「なぜ髪が扱いやすくならないのか?」「繰り返すとどうなるのか?」を本音でお話しします。
⸻
■ ツヤが出た=補修された、は大きな勘違い
最近人気の「髪質改善トリートメント」や「艶感アップ系トリートメント」。
最初の仕上がりは確かに感動レベル。でも、そのツヤや手触りって本当に“髪がよくなった証拠”でしょうか?
答えはNO。
多くの場合、それは一時的な質感演出です。
アイロンの熱で髪表面が整ったように“見えるだけ”のケースも少なくありません。
⸻
■ 高温アイロンで“焼き髪”が起きている現実
特に、
- ケラチントリートメント
- メテオトリートメント/メテオカラー
- ハリウッドトリートメント
- 微還元トリートメント
- 酸熱トリートメント
など、“熱で定着させる”系のトリートメントでは、 塗布 → 流さず乾かす → 高温アイロンで仕上げ という工程が一般的です。
でも実際の現場では――
しっかり乾かしきれないままアイロンを入れてしまう美容師さんも珍しくないのが現状。
これ、どうなるかというと…
• 髪の内部に残った水分が一気に蒸発
• 内側から圧がかかり、キューティクルが剥がれる
• タンパク変性で髪が硬く、ゴワついた質感に つまり、 見た目はツヤツヤ → 実際は“焼けてしまった髪”
という、ものすごく怖い状態が起きているかもしれないのです。
⸻
■ 「効果が切れたときのギャップ」に要注意
これらの熱処理トリートメントは、1回目こそ感動的ですが、数ヶ月後にこうなります
• ゴワつきや広がりが以前より気になる
• 手触りが硬くなったように感じる
• カラーの入りが悪くなった/ムラになる
その理由は、「補修されていた」のではなく、構造を“加工”していただけだから。
その“ツヤ”が剥がれ落ちたとき、逆に違和感が強く残る。
帰り際に言われませんでしたか?
- 3回通えば綺麗になります。
- 半年間サロンへ通ってください。
- 熱でしっかり髪内部へ溶かしこむようにして浸透させています。
いやいや、熱で成分が髪内部に浸透する事はないです。
そして流さないままアイロンをする事で使用したアイロンのプレートには、焼き付いたトリートメント剤が張り付いて茶色く汚れていきます。
そしてその汚れたプレートは綺麗にされることもなく、何度も使い回しされ続けるので汚れがカスのようにポロポロ出てきます。
⸻
■ ケラチンや酸熱は決して悪じゃない
問題は“使い方” 勘違いしてほしくないのは、ケラチンや酸熱の技術自体が悪いわけじゃないということ。
・年齢による髪のたるみ
・表面のパサつき
・ダメージによる広がり
こういった症状には、ケラチン系や酸熱は確かに効果を発揮します。
でも、クセを伸ばしたいからやる/なんとなくやってる そういった理由で選んでしまうと、逆に髪を扱いづらくしてしまうこともあるんです。
⸻
■ 繰り返すだけの“ルーティンケア”が、本当の原因かも
「またトリートメントしないと」 この考えがクセになっている人こそ、一度立ち止まってほしい。
• それ、本当に髪に必要?
• 補修されてる実感、続いてる?
• 仕上がりより、“1ヶ月後の扱いやすさ”を覚えてる?
大事なのは、髪の中身を変えずに“ツヤっぽさ”だけを足すケアから、 髪の状態を根本から見直すケアへ、意識を切り替えること。
⸻
■ 結論|扱いやすい髪は、正しい積み重ねでしか作れない
髪が扱いやすくなるかどうかは、 どんなトリートメントを使ったか、よりも どんな状態の髪に、どう扱ったかにかかっています。 流行ってるから・おすすめされたから、じゃなく、 「あなたの髪に必要かどうか」を見極められる人が本当に信頼できる美容師です。 もし今の髪が、扱いづらさや違和感を感じているなら――
もう一度、“本当に必要なケア”を見直してみてください。
一時的なツヤより、ずっと扱いやすい髪を育てていきましょう。
0コメント