本質に寄り添うって、なんでも受け入れることじゃない
「優しい美容師さんが好き」
「共感してくれる人じゃないと不安」
そんな声をよく聞くようになりました。
たしかに、美容室という空間に“安心感”を求めたくなる気持ちもすごくよくわかります。
でも私は、 “本質に寄り添う”って、なんでも「YES」と言うことじゃないと思うんです。
むしろその場の気分や雰囲気に流されてしまえば、 “本当に必要なケア”を見失ってしまうことだってある。
だから私は、あえて時に「NO」を伝えることもあります。
足し算ばかりの髪質改善、本当に必要?
最近の髪質改善は、あれもこれもと“足し算”の施術がとても多いです。
「たんぱく質を重ねる」
「油分でフタをする」
「コーティングで艶を出す」
どれも間違ってはいません。
でも、それら全部が必要な髪は、実はそう多くないんです。
蓄積された被膜や余分な成分が、逆に髪を重たく・硬く・扱いにくくしてしまうことも。
見た目だけは一時的に綺麗になったように見えても、それは“本当の髪質改善”とは言えません。
だから私は、まず「何をするか」より先に、 **「今の髪にとって、何を“引くべきか」**を考えます。
引き算こそ、本質に近づく道
髪に触れた瞬間から私は、「この髪、今何を手放したらもっと素直になれるだろう?」と考えます。
コーティングを落とし、蓄積をクリアにし、 そこから必要な処理を最小限で、的確に加える。
その結果、
- 自然なやわらかさ
- 素髪のような軽さ
- まとまりのよさ
そんな“髪の本質”がよみがえってくる。
これは決して派手な見せ方じゃないけど、 続けることで“扱いやすさ”と“自信”を育てられる髪になります。
美容師はカウンセラーじゃない
私は、美容師として髪の悩みには真摯に向き合います。
施術中の会話や雰囲気作りも大切にしています。
でも——
お客様のプライベートにまで寄り添うことまでは、求められたくない。
私の仕事はあくまで**“美容師”**です。
髪のプロとして、必要な施術と知識を提供するのが本分。
お客様のプライベートの深い部分にまで立ち入ったり、精神的な依存関係を築くことは望んでいません。
たわいない話をして、笑って、気分が軽くなって帰ってもらえるのは最高です。
けれどもそれは、あくまで“施術の延長”で自然に生まれるものであって、 精神的に依存されるような関係は、私の目指す美容師像とは違います。
私は、芸能人でもインフルエンサーでもありません。
SNSに切り取られた一面だけを見て「この人ならわかってくれる」と過度に期待されてしまうと、
お互いにとって不自然な距離感になってしまうこともある。
私はただの美容師。
日々、髪と真剣に向き合って、 お客様の“髪がよくなる未来”を一緒に考える仕事をしている人です。
それでも伝える理由
ときどき、「ちょっと厳しいことを言いますね」と驚かれることもあります。
でも私は、甘い言葉で“期待だけ煽って終わり”にはしたくない。
今の時代、発信する側も受け取る側も、見せ方や言葉選びにとても敏感です。
だからこそ私は、誤解を恐れずに「ちゃんと伝える」ことを選びます。
“本当に必要なこと”は、優しさの形をしていないかもしれない。
でも、それでも届いてほしい。
本気で変わりたいと思っている人にとっては、きっとその言葉が支えになると信じているから。
最後に
「本質に寄り添う」って、なんでも受け入れることじゃない。
必要なことを見極めて、不要なものは手放す。
そして、髪も気持ちも扱いやすくなる方向へ導いていくこと。
たとえ優しい言葉ばかりじゃなくても、 “嘘のない言葉”を届け続けることが、私の仕事の一部だと思っています。
⸻
しゅしゅのサロン情報
✂️ kokko(東京・大塚)
📍 東京都豊島区南大塚3-38-14 ガーデン大塚1F
🕙 10:30 - 20:00
📱 Instagram:@yshkw_kokko
✂️ 026秤 hair lab(長野市)※月初のみ出勤
📍 長野県長野市南千歳1-17-3 ケイアイビル2F
🕙 10:30 - 20:00(冬季は11:00〜)
📱 Instagram:@cckw_nagano
問い合わせ先▶︎ 公式LINE 検索ID:@108dlatk
0コメント