美容師とお客様の「ちょうどいい距離感」って、どこ?

美容室で働いていると、「お客様との距離感」って本当に大事だなと思います。 

 美容師とお客様って、どっちが上とか下とかじゃなくて。 

役割が違うだけで、本来は対等なパートナー関係なんじゃないかと私は思っています。


 髪を整える“プロ”としての私と、綺麗になりたい“あなた”。

 片方だけじゃ成り立たない関係だからこそ、お互いに気持ちよくいられる距離ってすごく大切。

 今回は、そんな「美容師とお客様の関係性」について、少しだけ本音をお話しさせてください。


強引すぎる美容師、いたことありますか? 

 ネットのクチコミやSNSでよく見かける美容室への不満。 

その中でも多いのが… 


 • 「希望を伝えたのに勝手に決められた」 

 • 「断りにくい空気で、オプションを追加された」 

 • 「言葉がキツくて、ちょっと怖かった…」 


 たしかに、美容師側が「プロだから」と一方的に押しつけるような接客をしてしまうと、 お客様は「選べなかった」「無理やり進められた」と感じてしまう。 

 美容師の“正しさ”だけで判断するのではなく、 その人にとって「心地よい選択」ができるように提案するのが、本来の姿だと思うんです。


美容師側にも実はモヤモヤがあります 

 反対に、美容師の立場から見た時に…実はこんな声もあるんです。 


 • 「何の連絡もなく来なかった」 

 • 「直前に毎回キャンセルされてしまう」 

 • 「ブリーチ・矯正・ハイトーン…全部やりたいって言われても、髪が持たない」 

 

どれもプロとして真剣に向き合ってるからこそ、苦しくなる場面。 

 特に、“やりたい”と“できる”がかけ離れているオーダーをされると、 髪の状態を考えたうえで、どう伝えれば受け入れてもらえるのか…毎回悩みます。 

 私たちが「できない」と言うのは意地悪じゃなくて、 髪を壊さないための判断なんです。 


なかには、施術後必ず毎回お直しを要求し、その度細かくクレームを言うという事例もネットで見つけました。

実際どんな状況なのかは見ていないかわ私には何も言えませんが、この類の話は美容師のコミュニティーで良く出る問題でもあります。


「わたしの方が偉い」「言うこと聞いてほしい」になると、うまくいかない 

 お客様側が「お金を払うんだから、こっちが上でしょ」と思ってしまったり、 美容師側が「プロだから全部任せてよ」と強く出すと、 その関係はもう“対等”じゃなくなってしまいます。 

 どちらかが上下になると、我慢や押しつけが生まれて、 結果的に「居心地の悪い時間」になってしまう。 

 私が大事にしたいのは、 キャッチボールみたいな関係性。 話して、聞いて、確認して、納得してもらって。 


そのうえで「任せてよかった」と思ってもらえるようにしたい。



 寄り添うって、何でもYESってことじゃない 

 私は“心に寄り添う仕事”だと思ってるけど、 “なんでも言う通りにする”とは、ちょっと違う。

本音を言えば、精神的に依存されすぎると、私のエネルギーがすり減ってしまう。


 私はカウンセラーではなく、美容師です。 


 あくまで「髪を通して人生をちょっとだけ後押しする」存在。 

だから、施術のことも、予約のことも、お互いが自立している関係でいたいんです。

 

いい意味で“他人”だからこそ、信頼できる関係がある べったりでも、よそよそしくもない。 

話しかけすぎず、放っておきすぎず。 

時には雑談で笑って、時には黙ってじっくり髪と向き合って。 


 そういう「ちょうどいい距離感」って、 意外と居心地がよくて、長く続く関係になりやすいんです。

お客様が私を信じてくれて、 私もその気持ちに応えたいと思えること。 

 それが、私が目指したい美容室での在り方です。 


 最後に 「技術にお金を払う」っていうのは、 お客様と美容師、どちらも“対等な立場”で信頼を交わしているということ。

どちらかが偉いんじゃなくて、 ただ役割が違うだけ。 

 そのことをお互いにちゃんと理解していれば、 きっともっと、心地よく過ごせる美容室が増えるはずだと思うのです。

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【東京都豊島区大塚エリア】 「効いてますよ」は、もう信じない。 髪質改善やトリートメントの効果が続かないのは、 美容室の提案と“あなたの髪”がズレているから。 そのズレの正体を、本音で解説します。